精神科訪問看護ステーションを開設するには?
精神科訪問看護を開設する上での
ポイントは大きく分けて3つ!
- 法人の設立
- 設備・人員の確保
- 指定申請
訪問看護事業を行うためには、指定申請という手続きを行い、指定許可を取得する必要があります。指定申請を行うためには、法人格の取得や複雑な人員要件・設備要件をクリアした上で行わなければなりません。また、指定申請は自治体ごとに様々な独自ルールが存在するため訪問看護事業の開設は、他の事業と比べて、法的な手続きや専門知識が求められます。事業を成功させるためには、綿密な準備と計画が不可欠です。
精神科訪問看護とは
どんなサービス?
精神科訪問看護とは?
自分らしく生きるために一人ひとりに合わせたケア
精神科訪問看護とは、精神疾患や精神障がいを抱える方に対して自宅やグループホームに看護師などの有資格者が訪問し、ご本人の症状などに合わせた日常生活のサポートをするサービスです。基本的に週3回まで、1回30分から90分程度が一般的です。
疾患などを抱える方が自宅や地域社会で自分らしく生活できるようにサポートします。
精神科訪問看護ステーションの利用者
精神科または心療内科を受診している方
精神科や心療内科に通院されている方であれば、年齢や就労の有無にかかわらずどなたでも利用可能です。主治医が発行する「精神科訪問看護指示書」の交付が必要となります。
主な対象となる疾患は以下の通りです。
- 統合失調症
- うつ病
- 双極性障害
- アルコール依存症
など
主なサービス内容
一人ひとりに合わせた心のケア
利用者やご家族、看護師などと一緒に相談しながらお悩みを解決していきます。具体的には以下のサービスを提供します。
- バイタル測定
- 精神状態のモニタリング
- 服薬の管理
- 日常生活の援助
- ご家族のお悩みのケア
- 関連機関との連携
- 対人関係の相談
訪問看護と精神科訪問看護の違い
訪問看護には通常の訪問看護と精神科に特化した精神科訪問看護があります。どちらも年齢などの制限はなく、主治医から診断を受ければどなたでも利用可能です。訪問看護では主に身体的な看護を行うのに対して、精神訪問看護ではメンタル面でのケアをメインにご家族のサポートまで行います。適用される保険は基本的に医療保険か介護保険のどちらかになりますが、精神科訪問看護では要介護認定を受けている高齢者の方以外は医療保険が優先されることが一般的です。
訪問看護 | 精神科訪問看護 | |
---|---|---|
対象者 | 身体的な障害や疾病を持っている方で、自宅で療養している人 | 精神疾患をお持ちの方や精神科などに通院している方 |
サービス内容 | 清潔ケアなどの身体的な支援・看護処置 | 精神状態の観察など精神的な支援 |
訪問者 | 看護師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など | 看護師や作業療法士、精神保健福祉士、保健師など |
交付されるもの | 訪問看護指示 | 精神科訪問看護指示書 |
サービス費の算定機基準 | 訪問看護基本療養費 | 精神科訪問看護基本療養費 |
精神科訪問看護の現状
日本の障がい者数は1,160万人
厚生労働省によると2023年の障がい者数は1,000万人を超え、国民の約11人に1人は何かしらの障がいを持っていると言われています。このうち身体障がい者は436.0万人、知的障がい者は109.4万人、精神障がい者は614.8万人とされ、特に精神障がいを持つ方が多くいることが伺えます。
近年、高齢化の加速や医療技術の進歩に伴い、障がい者数は増加傾向にあり、障がい福祉サービスへのニーズも高まっています。また、「精神保健福祉政策」により、入院医療中心から地域生活中心へ改革が進められており、精神障がい者が域で安心して暮らせる体制の強化が行われています。そういった理由から、精神科訪問看護の需要は今後ますます高まっていくと予想されます。
精神疾患支援ニーズの拡大
現代のストレス社会においてうつ病などの患者が増えたことにより、精神疾患の方が急増しています。さらに障がいに対する理解が高まったこともあり、精神障がいはより身近なものになりました。生涯で国民の4人に1人が気分障害などを経験すると言われており、精神疾患はがんや糖尿病と並び、5疾病とされ地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病として指定されています。
そんな中、精神疾患支援のサービスである精神科訪問看護の利用者は2013 年頃から急増しており、今後いっそうニーズが高まっていくことが伺えます。
精神障がい者の地域移行での大きな役割
厚生労働省は、「精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保された精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指す」ことを理念とし、自治体に対して財政的な補助や技術的な支援等を行っています。
政策の一つとして精神障がい者の病院から地域への移行が進められています。2020年の調査によると、精神病床の退院患者数は3万人でその約6割以上の方が家族のもとに退院されています。しかし、需要に対し在宅でのサービスが整っておらず、約半数の方が退院できていないのも事実です。また地域移行で重要となるサービスの1位が訪問看護とされており、サービスの重要性の高さが伺えます。現在精神病床入院患者数は、約28.8万人であり、約半数の13万人の方が退院後に訪問看護の対象者になり得ます。
精神科訪問看護ステーション
開設する上でのポイント
売上は国への請求だから安定収益
訪問看護事業は提供したサービスの請求を国保連合会(国民健康保険団体連合会)や支払基金(社会保険診療報酬支払基金)に対して行います。そのため、売掛金のリスクや景気に左右されることは無く、安定して売上を得ることができます。また、サービスに対する報酬は時間や内容に基づいて設定されているので、価格競争などは一切ないのも魅力の一つです。求められることは利用者やご家族の事を考えて、自立に向けた質の良いサービスを提供できるか、利用者が安心して暮らせる環境をつくれるかになります。
精神科訪問看護基本療養費と介護給付費等給付費
サービスを提供したら医療保険の「診療報酬」か介護保険の「介護報酬」を請求します。精神訪問看護は要介護認定を受けている方などを除いて基本的に医療保険が優先されます。主治医の精神科訪問看護指示書に基づき訪問看護を行った場合に、医療保険である「精神科訪問看護基本療養費」が算定されます。そのためには地方厚生局へ届出を提出し、要件を満たす看護師等がサービスを提供する必要があります。
精神科訪問看護の開設方法
精神科訪問看護の開設は、他の事業と比べて、法的な手続きや専門知識が求められる点が異なります。これから開設までの大まかな流れや、準備すべきことなどを解説していきます。
訪問看護ステーション開設の流れ
1. 法人設立
2. 資金調達
3. 人員基準
4. 設備基準
5. 運営基準
6. 指定申請書類の作成と提出
以上が指定申請を受けて開設するまでの大まかな流れとなります。
これから順を追って説明していきます。
法人設立
訪問看護ステーションを開設するには法人でなくてはなりません。そのため、株式会社や合同会社、一般社団法人などの法人格の取得が一番最初に行う業務となります。既に法人格を有する経営者の場合であればそのまま始める事ができます。
資金調達
開設資金は、自己資金とあわせて以下の方法で調達することができます。融資を受けるためには収益見込みや事業計画書などの書類の提出が必要です。
- 銀行などからの借入
- 日本政策金融公庫の融資:中小企業向けの政府系金融機関の融資制度
- 助成金や補助金:各自治体や民間団体が提供する助成金制度
公庫や銀行から融資を受ける
融資を受ける際には事業計画書を作る必要があります。事業計画書も収益の部分に触れていればいいわけではなく、取り組む福祉事業についての詳しい内容が必要とされており、なおかつ既に運営されている施設との整合性も求められます。つまり開設するオーナーは福祉の内容や現状をよく理解して事業計画書を作成する必要があるため非常に時間が掛かる業務となります。
OWL福祉事業では事業計画書作成のサポートも行っておりますので、融資を必要とする方でも安心して取り組んでいただけます。
人員基準
精神科訪問看護ステーションでは以下の職員を雇用して配置する必要があります。
また、「精神科訪問看護基本療養費」を算定するために、職員は精神疾患の方への看護の経験、もしくは研修を受けている必要があります。
具体的には以下のいずれかの条件を満たさなければなりません。
- 精神科を標榜する保険医療機関において、精神病棟又は精神科外来に勤務した経験を1年以上有する者
- 精神疾患を有する者に対する訪問看護の経験を1年以上有する者
- 精神保健福祉センター又は保健所等における精神保健に関する業務の経験を1年以上有する者
- 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する精神科訪問看護に関する知識・技術の習得を目的とした 20時間以上を要し、修了証が交付される研修を終了している者
設備基準
健康保険法や介護保険法に基おける設備基準や備品は以下の通りです。
- 設備
- 事務室:他の事業と同一の事務所でも可
- 相談室:プライバシーに配慮できる空間にすること
- 備品
- 感染症予防に必要な設備
- 鍵付きの書庫
- 消化器やスプリンクラー など
運営基準
運営にまつわるルール、営業時間などをしっかりと決める必要があります。
利用者や家族の意思を尊重して精神科訪問看護計画書を作成し、この計画に基づいてサービスを提供します。また利用者の虐待防止に向けて研修などを行い整備する必要があります。
健康保険法に基づく訪問看護の運営基準は以下のような項目が定められています。
- 内容および手続きの説明と同意
- サービス提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格の確認
- 心身の状況等の把握
- 保健医療サービス提供者等との連携
- 身分を証する書類の携行
- 利用料
- 指定訪問看護の基本取り扱い方針
- 指定訪問看護の具体的取り扱い方針
- 主治の医師との関係
- 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
- 利用者に関する市町村への通知
- 緊急時等の対応
- 管理者の責務
- 運営規程
- 勤務体制の確保等
- 業務継続計画の策定等
- 衛生管理等
- 掲示
- 秘密保持等
- 広告
- 苦情処理
- 事故発生時の対応
- 会計の区分
- 記録の整備
- 事業報告
- 内容および手続きの説明と同意
- サービス提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格の確認
- 心身の状況等の把握
- 保健医療サービス提供者等との連携
- 身分を証する書類の携行
- 利用料
- 指定訪問看護の基本取り扱い方針
- 指定訪問看護の具体的取り扱い方針
- 主治の医師との関係
- 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
- 利用者に関する市町村への通知
- 緊急時等の対応
- 管理者の責務
- 運営規程
- 勤務体制の確保等
- 業務継続計画の策定等
- 衛生管理等
- 掲示
- 秘密保持等
- 広告
- 苦情処理
- 事故発生時の対応
- 会計の区分
- 記録の整備
- 事業報告
指定申請書類の作成と提出
開設場所が決まり、管理者や看護師などの必要な職員が揃ったら、開設予定地の行政機関に連絡をして事前相談をおこないます。
また自治体によっては事前協議がない場合にはそもそも申請ができないこともありますので注意が必要です。指定申請の手続きを行い指定を受けることができれば事業所として運営することが可能になります。また精神科訪問看護を行う場合は、厚生局へ「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」が必要になります。
指定申請をする際の書類は数十種類以上にもなります。下記は主な一例になります。
- 指定申請書…運営、代表者、開設場所、開設日などの情報を記載
- 法人の定款、登記簿謄本…運営法人の定款、履歴事項全部証明書
- 勤務形態一覧表…開業する月のシフト表
- 管理者の経歴書
- 有資格者の資格証の写し
- 運営規程…運営に関する取り決め
- 平面図…基準上の設備を整えているか
- 協力医療機関契約内容…利用者の怪我や病気に備えて、連絡可能な医療機関との連携
- 苦情処理に関する措置の概要…利用者や近隣の住民から苦情があった場合の対処法
- 事業計画書…法人の概要や施設の場所、開業予定日など
- 収支予算書…開業から1年間の収支予算を作成
- 損害保険加入を証明する書類
- 事業所の賃貸借契約書など
他にも多くの必要書類があり準備が非常に大変です。そのため1人で開設をしようとしてもスムーズにいかず、余計な家賃や人件費が掛かってしまうケースも多くあります。訪問看護の開業を決めたら、期間をしっかりと設け万全の準備でスムーズに進められるように取り組んでいくのが良いでしょう。
障がい福祉事業の運営について
運営を成功させるための考え方
福祉事業(社会貢献事業)で利益をあげてもいいのだろうか…と考えてしまう方は大勢いらっしゃいます。しかしながら福祉事業だからこそ利益をしっかりと上げることが大切であり、実際に上手くいっている経営者の多くはしっかりと利益を追っています。利益を安定的に上げることで、十分な研修を職員に受けさせたり、事業所の設備をしっかりと整えやすくなったりと、利用者や職員に還元することができるようになります。また、利用者の方々にとっては質の良いサービスと長期安定的に事業所を利用できることが大切です。そのためにも利益をしっかり追っていくことが大切だと言えるでしょう。
障がい者への理解
障がいは大きく分けて3つ(精神、知的、身体)あり、障がいの重さによって支援の方法や大切になるポイントが変わってきます。それぞれが抱えている障がいについてヒアリングを行い、しっかりと理解した上で支援を心がけることが大切です。
運営マニュアルの用意
事業を運営していく中で、思いがけない事故やトラブルはどんなに気をつけていても発生します。その時に十分な対応ができるようにトラブル対応のマニュアルを用意しておくことや、職員間での連絡網の準備、対応の流れなどをまとめておきましょう。また、発生してしまった事故やトラブルの再発防止も大切な業務になりますので普段からPDCAを取り入れていきましょう。
法令をしっかりとチェック
福祉事業に取り組むにあたって、法律の知識を知っていることも大切な要素になります。法律自体も時代に合わせて改正さることがありますので法律違反にならないためにも常に最新の情報を得られるようにしておきましょう。
OWL福祉事業が開設・運営を
徹底サポート
障がい福祉事業の開設は未経験の方にはやはり難しい部分が多く、また必要とされるノウハウも多いため、出だしからスムーズに進まずに止まってしまったり、事業者指定を受ける際に無駄に費用が多くかかってしまったり、集客が上手くいかなかったりなどのケースが多々あります。
そこでおすすめなのがOWL福祉事業の開設・運営支援です。培ってきたノウハウをご提供するとともに、専任のスタッフが付いて一緒に開設、運営を行っていくので安心して事業に取り組めます。
未経験・無資格でも安心の
サポート体制
OWL福祉事業では未経験、無資格の方でも安心して取り組める施策のひとつとして専用のマニュアルをご用意しております。マニュアルを見ながらOWLスタッフと開設を行っていくためわかりやすく、理解しやすいのが特徴!
またマニュアルという形でノウハウを確実に得ることができます。
開設・運営のサポート内容
障がい福祉事業開設
サポート
- 必要に応じて資金調達サポートを実施
- 開設に必要な数十種類の書類作成サポート
- 指定申請時の行政機関への同行
- 物件探し、人材探し など
障がい福祉事業運営
サポート
- 利用者募集サポート
- 利益をしっかり得るためのノウハウ、情報の提供
- 行政・業界の動きの共有
- 経営戦略会議を通して安定的な黒字化へ
開設時の必要とされる箇所は全てサポートし、ノウハウも常に提供していきます。また行政機関への同行も行いますので初めての方でも安心して取り組んでいただけます。運営がスタートしてからは素早く収益化されるようにスタッフと共に入居者募集を行い、安定的な黒字化を目指して二人三脚で事業をバックアップしていきます。
OWL福祉事業で運営を始めた方の95%は業界未経験、無資格の方々です。異業種オーナー様が参入できるフローをしっかりと形成しておりますのでご安心ください。
OWL福祉事業のサービス
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